• テキストサイズ

恋に落ちて 〜織田信長〜

第59章 奥の務め



「あっ、ありがとうございます。わざわざもらって来てくれたんですか?」


まだ、噛まれた鼻が痛むのか、鼻を抑えながらアヤは皿の上の握り飯に目を移す。


「台所に、金平糖を探す目的以外で行ったのは初めてだ」

「ふふっ、そう言えば、初めて会った頃より金平糖を食べなくなりましたね。あの頃は秀吉さんが必死で隠してましたけど」

握り飯を頬張りながら、アヤは楽しそうに思い出し話す。


「そうだな、今は、金平糖よりも甘くて美味いものを手に入れたからな」

貴様を知ってからは、どんな甘味も意味をなさない。

「だが、此度の戦には持って行く必要がありそうだな」

貴様を、暫くは抱けぬからな。

アヤの頬に手を当てると、きょとんとした顔を一瞬したが、すぐに微笑んで、俺の手に頬をすり寄せた。

「全然、飽きんな」

貴様という深みにはまるばかりだ。


食べ終わるまで待ってやろうと思ったが、限界だ。

「わわっ、信長様?」

握り飯を食べるアヤを抱き上げ天主へと向かう事にした。

「天主に着くまでに食べ終えよ。もう、我慢ならん」


アヤは分かりやすく顔を真っ赤にしながら、俺の腕の中で握り飯を食べ終えた。

/ 816ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp