第7章 告白
ワンちゃんと自室へ戻り、私は漸く一息をついた。
昨夜から、心境の変化が著しくて、落ち着いて考える時間が必要だった。
信長様は私を好きだと言った。私も信長様が好きなんだとも。
私は、信長様の事が好きなんだと思う。
自分の気持ちを人に指摘されて気づくなんて、結構マヌケな話だけど、嵐のようなあの人とこれから一緒に過ごしていく覚悟がまだ出来ない。
秀吉さんが言った通り、私はこの時代の事を何も知らないし、ましてや、天下人になろうとする人を支えられる自信もない。
でも、綺麗な衣装に身を包み、守られているだけでいいとも思わない。
それにまだ、ちゃんと気持ちも伝えられていない。
「今夜、ちゃんと気持ちを伝えよう。って、なに私、今夜もって期待してるんだろ」
自分で突っ込みながら、恥ずかしくなる。
でも、呼ばれない日なんて無かったし........(これが当たり前)だと私自身も受け止めていた事に気づいた。
「信長様との生活がこんなに当たり前になってたんだ」
「ワンッ」
「あっ、お前も今日からはずっと一緒だよ。名前も考えなくちゃね。」
信長様からの初めての贈り物(着物とかは置いといて)は、ふわふわで柔らかくて、色々と考え過ぎて疲れた私はそのまま眠ってしまった。
「アヤ様、アヤ様、起きて下さいませ」
女中さんに体を揺らされて眼を覚ます。
「アヤ様、信長様がお待ちです。急いでお支度を」
「えっ?私いつのまにか寝て.......すぐ行きます」
慌てて支度をして、天主へと向かった。