第58章 合図
「っ、だから、これからは、喧嘩したり、意見が合わなくて言い合いになったりした時は、その日のうちに、一緒に湯浴みをして.....その、仲直りを....する事にしませんか?」
「..............っ」
信長様の目が、一瞬大きく見開いた。
「あの..........つまりは、すぐに仲直りがしたいんです。ごめんなさっ、わぁっ」
言い終わる前に、身体はふわりと浮いて信長様の膝の上に乗せられた。
「面白い、貴様の提案にのってやる」
「あの、だから反省を込めて、お身体を洗って差し上げようと.....思ったんですけど.....これだと、洗えない......んですけど.....」
う〜〜ドキドキする
「なるほど、悪いと思った方が謝りたい相手の身体を洗ってやればいいんだな?」
「は...い....だから私が.....きぁっ」
信長様の腕が私の膝裏に入れられ、信長様の膝の上で寝そべるような体勢にされた。
「俺が洗ってやる、悪趣味で男らしくない行為を貴様にしたからな」
「へっ?ちがっ、ごめんなさい。あれは言い過ぎで、信長様は全然悪くありませんっ、ふぁっあん!」
私の体に掛け湯をすると、信長様はその手をそのまま私の体のあちらこちらに滑らせた。
「やっ、な、何してるんですか?」
「貴様を洗っておる」
「て、手拭いを使ってください」
信長様を洗おうと持ってきた手拭いを差し出すと、
「いらん、拗ねて卑怯な事をした詫びとして、今夜は素手で洗ってやる」
「ええっ!やっ、卑怯と言った事は謝ります。それに話が何だか......」
違ってきてない?
詫びを入れようとする人は、そんなに嬉しそうに口角を上げないと思うし、気のせいかな.....私の腰に当たる硬いもの...........やけに主張してくるんですけど....
「遠慮するな、俺の心からの謝罪を受け取れ!」
「んあっ、ぁぁっん!なんか違〜う!」
........結局、信長様のペースに巻き込まれ、散々熱を与えられ、湯船へと連れ込まれた。