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恋に落ちて 〜織田信長〜

第57章 忍びの旅



「ありがとうございます。ううっ、大好き」

「ただ、家康や秀吉ら武将達は自分で説き伏せよ。奴らがダメと言うなら連れては行けん。戦は、一人でするものではないからな」

「は、はい。頑張ります。大好き、信長様」

ちゅっと、頬にお礼のキスをした。

「現金な奴だな。まぁ何にせよ、子が出来ても、戦になっても時間が無くなるのは同じだ。話が大幅に逸れたが、どこかに連れてってやる。行きたい所を言え」

この会話のきっかけとなった最初の話題へと戻った。

「あ、そうでしたね。うーん。新婚旅行にも連れて行って貰ったし、これと言っては.....」

「食べたい物や見てみたい物でも良いぞ」

うーーん、安土はどこよりも物資が豊富で困ってないしなぁ、見てみたい物と言われても、佐助くんと違ってこの時代に詳しくないし...............あ、

「そうだ、佐助くん!佐助くんに会いたいです」

あれこれ色々あって、すっかり忘れてたけど、まだ戻ってきて、佐助くんに会っていないからお礼が言えてない。


「なる程、貴様と同じ時代から来たあの忍びか」


「あ、でも....」

佐助くんの上司は確か.....


「謙信の事を案じておるのか?なら問題はない」

「何でですか?」

「奴と同じ方法を使うまでだ」

同じ方法って、佐助くんは確かいつも...........

「え、ええっ!忍び込むって事ですか⁉︎」

「そうだ。雪が深い今の方がかえって都合が良い。まさか俺が来るとは謙信も思っておらんだろうからな」

何と言う大胆な発想。

「でも、秀吉さんがなんて言うか」

主君が敵地に旅行に行くなんてダメに決まってる。いくら信長様が強いとは言え。


「その事なら心配いらん。俺に任せておけ。佐助には、俺も会って礼がしたいと思っておったからな。ちょうどいい」


「ふふっ、急に私たちが行ったら、佐助くん驚きますね」

「そうだな。貴様の針子部屋に忍び込んでおった事は許し難いが、奴にはそれ以上に世話になったからな、驚かせに行くか」


こうして私達は、佐助くんの暮らす上杉謙信の居城、春日山城へ旅行に行く事になった。



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