第7章 告白
「支度が済みましたので、私は自分のお部屋に戻ります。おにぎり、ご馳走様でした。」
顔を合わせるのが何だか恥ずかしくて、少し離れた所から挨拶だけして戻ろうとした。
「待て、アヤ」
呼び止められ、椅子から立ち上がって信長様がこっちに歩いて来た。
(何だろ?まさか昨夜の言葉を今言えとか言わないよね?)
ドキドキしながらいると
「貴様はにぎり飯もちゃんと食えんのか」
「えっ?」
「米粒がついておる」
そう言いながら、長い指が私の口元のご飯粒を取り、そのままパクッと食べた。
「........っ」
びっくりしている間に顔が近づき、
「ちゃんと、食べさせてやる」
そう言って、口づけられた。
「んっ!」
割り込んで来た舌に舌を絡め取られる。ご飯粒どころじゃない、逃げようとする私を追うように口づける信長様。結局、壁際まで追い詰められ、更に深く角度を変え信長様のペースに乗せられて行く。
「んっ........はぁ」
息苦しさと脱力感で立っていられなくなって来た時、
「信長様、例の物が到着し、ご用意が出来ました」
秀吉さんの信長様を呼ぶ声が聞こえて来た。
「ふん、貴様は手がかかる」
漸く唇を離し、指で私の下唇をつーっとなぞった。
「もうっ!普通に口で教えて下さい」
真っ赤になって怒ると、
「だから、口で教えてやっただろう?」
いたずらな笑顔を見せる。
「そう言う意味じゃなくて、言葉でって意味です」
「そんなに喜ぶな、今から中庭に行く。貴様も一緒に来い」
すっかりペースに乗せられ、私はそのまま信長様と、呼びに来た秀吉さんと一緒に中庭まで降りていった。