第56章 恋の指南
「んぅ、のぶっ...」
無意味な抵抗をする手を掴み指を絡めると、更に深く口づけた。
「ふっ、ん....あぁん!」
腰を突き上げ、繋がった所をせめれば、愛らしい喘ぎ声が漏れる。
その声も、声を発する口も、全て俺のものだ。
貴様は誰にも渡さん。
安土一女遊びが激しかった俺は、貴様のせいで
安土一妻に誠実な男になったらしい。
だが悪くない。
腰を掴み更に突き上げれば、アヤは嬌声を上げて必死に俺にしがみつく。
他の誰もいらぬ。
俺が飢えるのはいつもアヤ、貴様だけだ。
華奢な身体を抱きしめて、動きを早める。
欲しくて欲しくてたまらない。
狂おしいほどに、貴様が愛おしい。
「くっ、アヤ出すぞ」
もう声にならないアヤの中に、己の熱の全てを注ぎ込む。
貴様だけを、愛してる。
アヤ..............
・・・・・・・・・・
「ん........」
目覚めると、真っ暗で、布団の中で、信長様の腕の中。
また、意識を失ってしまった。
気怠さと共に、先程のことが思い出された。
自分から動けと言われたのは初めてじゃなかったけど、『気持ちいいですか?』と聞いたのは初めてで................
............と言うか.........『気持ちいいですか?』って、確かに聞いたよね?私..............。
途端に血の気が引いていく。
ワァァ〜、正気じゃなかったとはいえなんて事を!!!百戦錬磨のような信長様にそんな事を聞くなんて、恥ずかしすぎる。
信長様はその時どんな顔してた?驚いてた?呆れてた?わーん必死だったから思い出せない。
............でも確か、私を沢山感じていると言ってくれた気がする。とても嬉しかったのも覚えてる。
それはそれで、今度は身体中が熱くなるほど嬉し恥ずかしで...。
焦らされたり、意地悪されたり、でも甘かったり、今夜の信長様は飴と鞭の差が激しかったな。
過去に信長様に抱かれた沢山の女性たちも、こんな風に抱かれたのかと思うと少し、ううん、かなりやきもちだけど、そればかりはどうしようも無い。