第56章 恋の指南
既に開けられた口の中に、チロっと、舌先を入れてみる。
触れたのは、信長様の下唇だけ。
ペロペロっと舐めてみたけど、奥はまだ深そうだ。
もっと自分の唇を信長様の唇に押し当てて、舌を入れて行くと、歯列に当たりその僅かに開いた先で、信長様の舌と、触れ合った。
いつもされる様に舌を絡めるけど、私がいつも感じる様な絡めとられるような感じはしない。
時折、信長様が誘うように舌を絡ませてくると、
「はっ、........ん」
私が口づけているはずなのに、声が漏れ、何故か息苦しい。
信長様は、とても余裕そうに、口づけながらも私の肩から着物を下げて、その手持ち無沙汰な両手で、私の胸をやわやわと揉み出した。
「ふっ、んんっ!」
信長様の唇が、時折真横に開く感覚があり、口角を上げて笑っているんだと思った。
「んっ、もうっ、信長様、あっ」
悪戯な手は、次はお尻を触り出す。
気付けば既に私は裸で、そっちが気になって顔を離して身を捩ると、
「まだ足りん。続けよ」
大きな手が私の頬を撫でるとそのまま引き寄せられ、唇が再び繋がると、早くしろと言われている様に舌が入り込み、連れて行かれた。
「もっと、舌を使え」
「は、っぅん....」
言われた通りに、信長様の舌を舐める様に動かすけど、いつもされる様に自然な動きにならない。
ちゅ、ちゅ、と部屋に響く水音すら、下手な音に聞こえて来て、恥ずかしさが込み上げる。
毎日、あんなに口づけ合ってるのに、いざ自分からとなると、この下手さは一体どう言う訳なのか。
「ふわっん.....ぁん」
それに下半身への悪戯は続いていて、既に濡れそぼったその割れ目に沿って手の平を動かされると、じわじわと快楽が与えられ、我慢できずに声が漏れてしまう。
もう、ほぼほぼ信長様の胸にもたれ掛かっていて、口づけながらもふわふわして、吐息がだだ漏れで.....
信長様の首に腕を巻きてけて、角度を変えながら、必死で口付けた。