第56章 恋の指南
「葵ごめんね、遅くなって」
「ううん、大丈夫。わざわざありがとう。」
「待っててね。すぐ入れ直すから」
「.........,何か、アヤ、顔が赤いけど大丈夫?」
「えっ、あ、そう?走ったからかな」
うっ、信長様にさっき与えられた熱でまだ顔の赤さが消えていなかったらしい。
日中信長様に会えるのは嬉しいけど、会う度キスされてたら体がもたないけど、やっぱり嬉しいから.....いいか。
「アヤ?」
「あっ、何でもない。それよりも葵の話のが大切だよ」
お茶を入れ終えて、葵と自分の前に置く。
「そんな、アヤが思うほど、楽しい話はないよ」
葵は謙遜する様にそう言ったけど、
「だって、安土一のモテ男だよ。しかも、葵が相手なんて、お似合いすぎて、聞かないわかけにいかないよ。その、もし良ければだけど」
「ふふっ、ずっと、私の片想いだったってだけだよ」
そう言うと、葵は自嘲気味に笑い、恋仲に至るまでのことを話してくれた。
・・・・・・・・・・・・
「だからさ、何でアヤが泣くわけ?」
全てを話し終わった頃には、私は泣きじゃくっていて、大変な事になっていた。
「ううっ.....だって、切なかったけど、ハッピーエンディングで.....こんな素敵事があるなんて........ううっ」
「えっ?はっぴが何?」
「あっ、ごめん。とても素敵な恋だなって。」
秀吉さんがお市を好きだった事にも驚いたけど、それを承知で、一夜の夢でも悲しむ秀吉さんに身を委ねて、それから三年もの間片思いをずっとしていたなんて、どれだけ一途で素敵な恋なんだろう。
だけど、
「何で床上手聞きたかったの?」
秀吉さんはとても慣れていそうだし、そんな心配しなくても良さそうなのに。