第54章 除夜の鐘
「ふふっ、あの時の信長様、子供みたいに拗ねて可愛かったです」
「貴様が他の奴を見て赤くなるのは気に入らん」
信長様はまた拗ねた様な顔をして、お酒を飲むのをやめ、私の膝の上に頭を乗せて寝転んだ。
こんな些細なヤキモチが本当に嬉しい。
私の膝の上でくつろぐ信長様の頭に触れた。
「信長様しか見てないです。今日の餅つきも圧勝でしたね」
餅つきのお餅の美味しさを競うのは無理と言うことで、途中からは誰が一番長くお餅をついていられるかとの、我慢比べとなり、信長様が圧勝した。
「勝利の褒美は貴様からもらう」
髪を優しく引っ張られ、信長様の顔に近づくと腕が頭の後ろに回り更に引き寄せられ、唇が重なった。
「っ.......ん」
除夜の鐘の音と唾液の絡み合う音。
身体を支える為、信長様の胸に手をつくと、その硬い胸板を掌が感じて、昼間の信長様の筋肉美がふと思い出されて、ドキドキしてきた。
口づけられたまま身体が優しく反転され、更に深く探られる様に舌が絡んできた。
「んっ.....ふ、っん」
もう蕩けそうで、全身がふわふわしてきた。