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恋に落ちて 〜織田信長〜

第52章 安土の奇跡



夜も遅いし時間もない。
信長様にも協力してもらおうと思い、忙しいと分かっていたけど、広間に向かった。

「失礼します」

ゆっくり広間の襖を開けると会議の最中で、急に開いた襖にみんなの視線が集まった。

「あっ、忙しい時にすみません。信長様にちょっと.....」

信長様の方を見ながら呼びかけると、

「なんだ、一人寝が寂しくて呼びに来たのか」

立ち上がり、いたずらな言葉を言いながらこっちに来てくれた。

「ちっ、違います。でもお願いがあって」

みんなが笑いながらこっちを見ていて話しづらいから、広間の外に引っ張るようにすると、

「大胆な奴だな、そんなに待てんのか」

腰を掴み引き寄せられ、いたずらな顔がぐっと近づいた。

「だから、違うんです。信長様にお願いが.....ん」

信長様が後ろ手で襖を閉めた瞬間、唇が重なった。

「っ、のぶっ....んん......だめっ、時間がないんです」

ペースに飲まれる前に、何とか体を引き離した。

「これです!」

信長様の前に、天使を突き出す。

「さっきの天使か、これがどうした」

口づけを遮られ、少し不機嫌そうな信長様に、さっきの天使との会話を説明した。


......全部話し終わり、信長様の反応を待つと、

「行くぞ」

何の迷いもなく私の手を取り外へ向かって歩き出した。

「っ、この話を、信じてくれるんですか?」

今はもう光っていない、ただの置物になった天使と私の話を........

「貴様には不思議な力があるからな」

信長様は、ニッと、愉しそうに笑った。
どんな時も私を一番に考えてくれるその優しやに、また胸がぎゅっとなった。



「信長様っ!どこへ?」

広間から秀吉さんが叫ぶ。

「でえとだ。後は貴様がまとめておけ」

「はっ?信長様っ⁈」

秀吉さんはまだ何か叫んでたけど、信長様は気にせず私の手を引いて、馬を走らせ港へと向かってくれた。

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