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恋に落ちて 〜織田信長〜

第51章 眠れない日々



「信長様危ないっ!」

アヤの叫び声で振り向くと同時に、ドンっと言う発砲音と、アヤの肩から血が飛び散った。


「あっ...........」


アヤは、俺に手を伸ばしながら、船の甲板へと倒れて行った。

ドサッ!


「アヤ!」

血なんか、浴びる程見てきたし、流してきた。
奪った命は数え切れない。

だが....アヤの血は一滴たりとも失いたくはない。

こんなに焦ったことはない程に、アヤの元へと心がはやる。だが、鉄砲の音を合図に敵が総攻撃を仕掛けてきて、その道を阻まれた。

降り注ぐ雨がまた、手足の自由を奪いいらだたせる。


雨がさっきよりも強まって、雷の音まで聞こえ始めてきた。


「アヤ!」
襲い来る敵をなぎ倒し、戦いながら、アヤの元へと急ぐ。

「うっ.....」

いつもは、あんなにも能天気なアヤが傷つき、血を流して倒れている。

「アヤっ!」
全ての敵をなぎ倒して、アヤの元へ向かう。


「のぶ....なが...さま」

アヤは必死で腕を伸ばし、指を伸ばした。


その時、


ピカッ、ドオーーーン!!!


雷が落ち、まるで俺たちを割くかのように、船を真っ二つにしたような大きな亀裂が目の前に走った。


「アヤ!手を伸ばせ」

「のぶ....」

華奢な体から流れ出たとは思いたくない程の血がアヤの周りには流れ出ていて、アヤの体力が限界なのだと分かった。

「くっ、アヤ、手を」

亀裂ギリギリに手を伸ばすが届かない。

「っ、やだ、のぶながさま....」

泣くなアヤ、今助けてやる。クソっ、なんだこの霧は、


「アヤ!」

これはアヤの言っていたわーむほーると言うやつか!

「いきたくない....のぶ....」

アヤの声が俺に助けを求めるが、もう姿が見えない。

「アヤ行くな!アヤ!」

どこだ、アヤ、返事をしろ!

「アヤーーーーー!!」


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