第51章 眠れない日々
心地の良い朝。
殆ど寝てはいないが気分は良い。
腕の中で眠るのは、つい先ほどまで啼かされ続けたアヤ。
安心しきった顔ですやすやと、規則正しい寝息を立てて寝ている。
その寝顔が愛おしすぎて、鼻をつまんでやる。
「ん.........」
アヤは少し不快そうに顔を動かした。
くくっ、とその動作に笑いがこみ上げ心が満たされていく。
アヤの存在を確かめるように、俺は何度も触れるだけの口づけをアヤの顔に落とす。
「もう、離さん」
誰に言うでもなく、己に誓うように...........
アヤがこの安土に戻るまでの一年、俺は以前にも増して眠れぬ日々を過ごした................