第50章 初めての夜
「そろそろ俺に集中しろ、だから貴様は愛が足りんのだ」
「ん.......」
顎を掴まれ重なった唇を深めながら、体がゆっくりと倒されて行く。
「愛してる、アヤ」
「わっ、私の方が愛してます」
本当に、すごくすーっごく好きなんだから、愛が足りないなんて言わせない!
「ふんっ、他の女と婚姻を結ばせようとしたのは何処のどいつだ」
「なっ、あれはっ...、嫌だったけど、仕方なく...っん」
噛みつく様に口を塞がれると、すぐに舌を絡め取られる。大きな舌に口内を暴れられるとすぐに息苦しさが襲ってきて目頭がじんわりとしてきた。
「くるしっ、信長様」
ジタバタしても容赦なく呼吸を奪っていくお仕置きの様な口づけに意識が朦朧としてきて、信長様の襟を掴んでいた手の力が抜け、ぽすっと褥の上に落ちた。
「ふっ、もう力つきるとは、愛が足りん証拠だ」
信長様は口角を上げて、意地悪そうに笑う。
「っ、はぁ、はぁ、いじわるっ、体力で信長様に勝てるわけないのに。愛情の大きさと体力は別です」
「ならば、貴様の愛を今夜は存分に感じさせてみよ」
笑いながら、その手はしゅるっと、私の帯に手をかけ、着物を一枚開いた。
「.................ほぅ、これはどういう趣向だ」
私の襦袢を目にした信長様の手が止まった。
「えっ?..........あっ!」
そういえば、これ着てるの忘れてた。