第49章 答え合わせ
「結婚って、私が信長様の妻になるって事ですよ?簡単にそんなこと言って、もう、引き返せませんよ?」
「簡単に言ったわけではないが、分かっておる、今すぐ俺の妻になれ」
「っ、だから、後で後悔しても、解消も出来ませんよ?」
本当は出来るけど、出来ない事にしておきたい。
「もちろんだ、後悔などある訳がない。俺の妻は貴様しか考えられん」
「私、本当は嫉妬深くて、疑り深くて、結婚したら絶対束縛しますよ?」
「そんな事、とっくに分かっておる。もう既に、浮気浮気と煩くわめいておったではないか」
それは.....確かにそうだ。
「..........血筋も後ろ盾もありませんよ?」
「そんなものに縛られない世を作ろうとしておるのに、なぜ気にする?」
「手管もないのに?」
「.....それは励め。まぁ、伸び代があれば十分だ」
「.......やっぱり、いじわるっ」
どうしよう。もう断る言葉が出てこない。
嬉しいけど、素直じゃない私はこんな反応しかできない。
「早くしろ」
ずいっと、信長様の左手が私の目の前に差し出された。
「誓いの言葉も言え」
「でも私、神父様じゃ」
「うるさい、俺が誓うのは神でも仏でもなく貴様にだ」
本当に、どんなIQの持ち主なんだろう。あの時、こんな事まで話したのかさえ私の記憶は曖昧だって言うのに。
お願いだから、涙も止まってほしい。今、この瞬間の信長様の顔を、心に焼き付けたいのに。
「っ、うぅっ、汝、織田信長は、私アヤを妻とし、一生幸せにすると誓いますか?」
「誓う。生涯抱く女も、愛する女も貴様だけだ。だからアヤ、貴様も覚悟を決めて俺に誓え」
「ううっ、誓います。っく、信長様を一生愛します。私を、お嫁さんにして下さい」
震える手で、信長様の薬指に金の指輪をはめた。