第49章 答え合わせ
「謝れと言っているわけではない。貴様の本心を聞かせろと言っておる」
信長様は、優しく、諭す様な目で、ゆっくりと私を見た。
もう、逃げられない..........逃げてはだめだ。
スーッと大きく息を吸い込んで、私は覚悟を決めた。
「..........本当は、他の人と婚姻を結んで欲しくないんです」
「当たり前だ。勝手な想像を膨らますな」
「私だけを...っく、見てほしい」
「貴様しか見えんと、何度伝えればいい?」
「誰のものにも......っ...ならないで....うぅぅっ」
「俺はもうとっくに、貴様だけのものだ」
「きっ、綺麗な女の人が現れても?っく」
「貴様が一番綺麗だ」
「っく、手管のある綺麗な女性が...っう、現れても?」
「..........貴様だけだ」
「今、間があった〜ううっ」
「冗談だ。そうやってすぐ拗ねる貴様を見たかっただけだ」
泣きじゃくる私の頭を、信長様はポンポンっと優しく撫でた。
今、信長様はきっとかっこよく笑ってるに違いない。でも、溢れ出る涙が邪魔をして........
「アヤ、左手を出せ」
「?」急に話が飛んで「えっ?」ってなったけど、私は言われるがまま左手を前に出した。
信長様は私の左手を握ると、薬指に何かをはめた。
「.................っ」
信長様から手を離して見ると、私の左手の薬指には、金色のリングが.....
「うぅぅっ、のぶながざま〜 なんで〜」
もう、言葉にならない。
「貴様の希望だと言っておったからな」
「っく、え?.........あっ」
....................それは、
まだ私達がお互いの気持ちに気付く前の事...........