第49章 答え合わせ
少しの静寂があり、ただ川の流れを耳に感じあった。
「アヤ、もうまどろっこしい事は終わりだ。旅の目的を果たすぞ」
信長様は、抱きしめていた体を離しニッと笑うと、私の手を取り城へと歩き出した。
旅の目的って、お互いの離れていた時間を埋める事だと思ってたけど、確か月華院様の所で、たくさん私を抱くことだって言ってた様な.............
って事は、もう怒ってないから、今からするぞって事?
えぇ〜昼間に?
人様のお城で?
客間で?
それとも湯殿で?
一体どこで?
行き着いた先で、めくるめく情事がこれから行われるのかと思うと、さっきまでの沈んだ気持ちはとっくに消えて、ぐるぐると頭が忙しく回りだした。
そんな私の気持ちを知ってか知らずか、信長様は岐阜城へと上がり、本丸御殿を抜けて、天守へと続く廊下を進む。
えっ?もしかして天守で?
でもそこは、信長様の天主ではなくて、今は人様の天守で。
どうしよう。お城でするくらいなら、宿に行こうと言った方がいいかもしれない。でもそれってなんか、ホテルに行こうと誘う女みたいでやめた方がいいかなぁ。それとも、声を我慢するしかない?イヤイヤ絶対無理だし、させてくれないし。
どうしよう。
あれこれ考えている間に、私達は天守の最上階に着いた。