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恋に落ちて 〜織田信長〜

第45章 心の再会



「...................あの時は本当に.....すみません....」

みんなが揃ったので宴は始まり、私はカニ汁を啜りながらポツリと謝り、目をそらす。

「構わん。貴様の為に、食い切れんほど用意した。俺の事は気にせず飽きるまで食べるが良い」

「なんか、棘がある言い方に聞こえるんですけど.....」


「ふんっ、気のせいだ。俺より蟹を選んだと思うほど、俺は了見の狭い男ではない」

涼しい顔してお酒をのんでるけど、やっぱり根に持ってるじゃん!

「っ、あの時は本当にそんなつもりじゃなくて、色々急にあっておかしかったっていうか、信じてください。蟹より信長様の方が好きに決まってます」


ぶっ、と信長様はお酒を少し吹き出すと、呆れたように私を睨んで腰を引き寄せた。

「わっ、」

「貴様と言う奴は」

「えっ?.......んっ....」

突然口を塞がれ、訳がわからない。

「んっ、のっ、信長様っ!」

みんなの前だし

「よもや蟹と想いを比べられるとは、その口には仕置が必要だな」


「えっ、まっ、んんっ!」

離してくれたと思ったら、苛立ちの言葉を吐いて直ぐに焦る私の口を荒々しく塞いだ。

「んっ、のっ」

みんなが見てるのに、舌が遠慮なく口内を侵してくる。激しく口付けられるのも、みんなの前で堂々とされるのも久しぶりで、抗体がなくなってたから以前以上に恥ずかしく感じる。

「っふ、んっ」

こんな刺激は久しぶりすぎて、我慢が出来ず、声が漏れてしまった。


「っ、」
信長様がパッと唇を離したけど、私は、突然の刺激と、信長様との口づけで移されたお酒の香りとでぼーっと信長様を見つめたまま。


「ふぐっ!!」

信長様は、ポーッとしたままの私の口に、突然蟹のハサミの部分の身を入れてきた。

「いひゃい(痛い!)」

「皆の前で、その様な顔と声を晒した罰だ。ぼーっとせずに早く食え」

少し不機嫌そうな顔の信長様。

私が悪いの?
いきなり口づけてきたのは信長様なのに。

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