• テキストサイズ

恋に落ちて 〜織田信長〜

第5章 覚醒



(うーーーっどうして良いのかわからない)

自室へ帰るため、廊下を歩きながらも、さっきの事が頭から離れず、ドキドキと、戸惑いと、何だかくすぐったい気持ちが行ったり来たりして、心が落ち着かない。

(こんなんじゃ話なんてできないよ)
ドキドキする気持ちが何なのか分からない
(あーもう、)

「アヤ、心の声が出まくってるぞ」

「えっ?あっ秀吉さん」
振り向くと、秀吉さんがやれやれと言った顔で立っていた。

(うそっ、声に出てたっ?)

「廊下は静かに歩けよ。まぁお前の気持ちも分かるけど」

「うっ、ごめんなさい」
反省の意を示して俯いていると

「お前、この一週間で何があった?」

「何って何?」

「いやっ、なんて言うか、お前の信長様への態度が柔らかくなった気がして」

「えっ?」
心臓がドクンと音を立てる。

「まぁ、最初はお前も戸惑ったと思うけど、信長様を受け入れる気持ちになってくれたんなら俺は嬉しい。今回の視察だって、信長様が視察先で女に興味を示さなかったのも俺は初めて見たし。それだけお前に惚れてるってことだろ?」

「っ.........」

「信長様を頼むな。俺の惚れ込んだ大切なお方だ。お前なら任せられる」

秀吉さんは嬉しそうに笑いながら、私の頭をくしゃくしゃっと撫でた。

信長様が私の事を?
佐助君に続き、秀吉さんまでそんなこと言うなんて。
もう、本当に考えが追いつかない。

そんなこんなで、色んな気持ちで頭を悩ましたまま、夜が来てしまった。

/ 816ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp