第44章 自分の未来へ
両手足全てが枝に引っかかり、寝転んだような状態で、どこから動かしていいのか分からない。
しかもこんな時に限って、シフォンのロングスカートを履いていたことを思い出し、そのシフォンが細かな枝にあちこち引っかかり、さらに状況を難しいものにしていた。
「うーん。どうやって抜け出そう」
でも、枝はあまり時間を与えてはくれなかった。
パチ、パキッと、私を支える枝枝か音を出し、軋み始めた。
「えっ、マジですか?」
もしや、折れる?
そうなると急に焦るのが人間と言うもの。
スカートの破れなんて気にしてられない。逃げようと必死で体を起こした。
けど、それが一番いけない行為だった。
バキッと一番大きな音を響かせ、ビリビリとスカートの破れる音とともに、私は頭から落ちて行った。
「きゃぁー」
ドサッと、私の体は懐かしい感覚に包まれる。
ここにいて、私が転んで怪我をしたり、木から落ちて怪我をすることはない。
だって.......
「っ、........信長様....」
「久しいなアヤ、あい変わらず手のかかる奴だ」
変わらずいたずらな笑いを浮かべるこの愛しい人が、私を必ず助けてくれるから。