第44章 自分の未来へ
朝一番に病院へ行って薬を貰い、そのまま待ち合わせ場所の新横浜駅へと向かった。
「アヤ〜こっちこっち」
同じ同期入社の有希ちゃんが手を振ってくれてる。
「有希ちゃんごめんね。なかなか新横に来ないから慣れなくて」
「あぁ、東横沿線に住んでてこの駅来る事なんて、新幹線乗る時位だしね。分かるよ。はい!アヤの分のチケットね」
そう言って彼女は新幹線のチケットを渡してくれた。
「ありがとう。3時間ちょっとで着くなんて、北陸も結構近いね」
「確かに、ここから真反対側なのにね。東京組はもう新幹線でこっちに向かってるだろうし、他のみんなは先にホームで待ってるよ。行こっ」
チケットを通してホームへ行くと、同じデザイン部のメンバーが乗り口に並んで待っていた。
わずか15名の小さな部だが、この人数で子供服からシニア世代までを幅広く取り扱っている。
私は現在ティーンの服をメインに担当しており、有希ちゃんはキッズの担当だ。数年前まではベビー部門もあったそうだが、少子化による影響で売れ行きが年々伸び悩み、チームは解散となったらしい。
そんなこんなで、普段の仕事場ではフラット制、担当制のうちの会社は、多少の上下関係はあれど、結構和気あいあいとしている。
「アヤ、有希、何か飲む?」
幹事の中井さんがビニール袋にいっぱい飲み物を入れて持って来てくれた。
「わぁ!ビール入ってる。私ビール、アヤも今日はビールにしちゃえば?」
ビニール袋からビールを取り出しながら、有希ちゃんが私にも勧めてきた。
「無理〜。お酒飲むとろくな事ないからお茶でいい」
お茶のペットボトルに手を伸ばしてお礼を言いながら受け取った。
「そう?たまには飲んでみればいいのに、美味しいよ」
プシュッっと、缶の蓋を開け有希ちゃんはぐびっと美味しそうに缶を傾けた。
「前にお酒に酔って足首捻挫した事があったんだよね」
ペットボトルの蓋を開けながら、酔った時のことを思い出した。
「えー、悲惨じゃん」
「そうなの、すごく怒られて、その後お風呂でも散々.....」
............あ...れ?