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恋に落ちて 〜織田信長〜

第43章 大切なもの



部屋の外に出ると、そこはもう戦場と化していた。


人の叫び声や呻き声、刀の交わる金属音に、矢の飛び交う音。


(信長様はどこ?)

きっと近くにいる。


「アヤさん危ない!」

佐助君が叫ぶと共に、私の手を強く引っ張った。


次の瞬間、ヒュンッと、目の前を矢が通り抜け、壁にドカッと刺さった。


「っ、」
ゴクリと喉がなる

ゲームなんかじゃない。
今のが当たっていたら死んでたのかもしれない。

体が震える。

死ぬ時は、歳をとって死ぬんだと思ってたのに、こんなのは嫌だ。

早く、信長様を見つけなければ。


「さっ、佐助君ありがとう」

「信長は多分あっちだ。俺の後ろに隠れてついてきて」

佐助君は私を背中に隠すと、器用に飛んでくる矢を避けながら進んでいった。


戦場となっているのは船の上だけでなく、陸地でも戦いが繰り広げられているのが見える。


あっ、あれは、

「政宗っ!」

陸地で、指揮をとって戦う政宗を見つけ、船の上から叫んだ。


「アヤ、元気そうじゃねぇか、って、おっと」

よそ見した政宗に敵が襲いかかる。

「政宗危ないっ!」

「こんなもん、なんて事ねぇ」

ニヤリと余裕な笑みを浮かべて政宗は敵をなぎ倒していく。


「信長様はその先にいる。早く行って抱きしめてもらえ」


「うんっ。政宗、助けに来てくれてありがとう」


政宗は敵を蹴散らしながらも、手を振って答えてくれた。

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