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恋に落ちて 〜織田信長〜

第42章 それぞれの思い



「やめっ、そんな事本当にやめてっ!」

体を起こそうと動いても、頭上で縫いとめられた腕は痛いほどに褥に押さえ込まれていてビクともしない。

本当に抱くつもりなの?


恐怖と焦りが交互に押し寄せて、頭がパニックでどうしていいのか分からない。

他の人に抱かれた私を信長様は許してくれるのだろうか。


もう、愛してはくれないんじゃないか。


なぜあの時、幸の言葉を真に受けて遊女屋になんか行ってしまったのか。


これは、信長様を信じきれなかった罰なんだろうか。


ありとあらゆる後悔が頭を駆け巡る。


もう怖くて、泣きじゃくる事しか出来ない。

私の嗚咽と、元就が作り出す淫らな水音が部屋に響いた。


頭痛と、峰打ち、そして絶望感に苛まれた体の力が尽きて行く中、私は最後の言葉を振り絞った。


「っく、お願い.....復讐のためとは言え、こんな事......っく、あなたの好きな人も傷つくでしょ?」

もしも信長様が、誰かを陥れるために同じような事をしたら、私は悲しい。だから.....


元就の動きが止まった。


顔を上げ、体を起こすと、そっと私の頬に手を寄せ、触れるだけの口づけをしてきた。

「っ、」


「悪いなアヤ、俺は、お前が欲しい」

不本意にも、切なく揺れるその瞳に捕われた瞬間、元就の熱り勃つものが私のそこに触れた。


「やっ、それだけはやめて」


必死で体を捩っても、力の入らない私にはもう無駄だった。


絶望感に覆われそうになった時、



敵襲ーーー敵襲ーーーー



外から敵襲と叫ぶ声と、刀のぶつかり合う音が聞こえきた。


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