第42章 それぞれの思い
「随分と、信長に仕込まれてんだな」
「いやっ、違うっ!」
濡れていると言う事実に、愕然とする。
痛みを和らげるための自然現象だとしても、この事実が元就を更に煽ってしまう。
自分が、本当に厭らしい女になった気がした。
でも、いくらグチュグチュと指で掻き回されても波は襲ってこない。
こんな時になって、信長様をどれだけ好きだったのかを思い知る。
信長様に初めて抱かれた日から、体は今まで感じたことのない快楽を感じた。
信長様との前に、一人付き合った人がいる。でも、その人とのセックスを気持ち良いと感じた事はあまりなかったし、絶頂を味わった事もなかった。もちろん好きで付き合ってたけど、その人は、ただやたらと指を入れていかせたがったり潮を吹かせたがったりしただけで、痛いだけであまり気持ちいいと感じた事はなかった。反対に、私は不感症なのかもと思ったくらいだ。
でも、信長様とは、身体が全部蕩けて無くなりそうな感覚になって、気づくと意識を持っていかれてしまう。
甘くて、幸せで蕩けそうで。
信長様
自然と涙が溢れ、嗚咽が漏れる。
嫌がる私を抱いていた頃の信長様は、この反応が逆効果だといつも言っていたからやめないといけない事はわかってる。
でも.....
「っ.....やっ、」
どうやって逃げろって言うの?
歯を食いしばって泣くのを堪える私を元就は更に追い詰めてくる。
指を抜くと、絡め取った蜜をペロリと舐めた。
「やっぱり甘い」
「っ....もう....やめて」
抵抗する事もできず、涙だけが溢れる。
「アヤ、信長の事なんて、すぐに忘れさせてやる。嫌なら、今だけ目を瞑ってろ」
酷い事をしている男の目にしては、優しく寂しげに私を見て、そっと私の目を手で閉じた。
だけど、そんな優しさはほんの一瞬で、次の瞬間には、私の脚を押し開いてその中心に顔を埋め、舌を這わせた。