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恋に落ちて 〜織田信長〜

第42章 それぞれの思い



「どう言う意味?」

「お前は、俺がある条件で武田から貰い受けた。だからお前は、武田が身を寄せる春日山城へは行かない」

「じゃあ信長様達は!」

「まぁ、奴等が越後へ行ってもお前はいない。無駄骨ってやつだな」

「そんな....無駄に兵達を消耗してしまうんじゃ」

「頭の回転、いいじゃねぇか。」

元就は、更に私に被さるように顔を近づける。


「お前を連れ戻すために上杉の居城へ行ってもお前はいない。無駄に時間と兵力を消耗させて織田軍を疲弊させて、その隙をつくんだろうな」


「そんな..........って、ちょ、近い。離れて」

話に必死で、元就の息がかかるほどに距離が詰められている事に気がつかなかった。でも、この体制はやばい。

「お前は今日から俺のものだ。信長にはもう返さねぇよ」

「やめっ.....ん」

近づく顔と体を手で押し返すのと、元就の手が私の頭の後ろに回って引き寄せられるのは同じタイミングで....

元就が身体を支えるために、もう片方の腕を褥についてギシっと褥が軋む音がするのと同時に、元就の口が私の口を塞いだ。


「んっ!」


なに?何で⁉︎

必死で元就の胸を押して、足をバタバタさせても、口づけをやめてくれない。

しかも何故かこの褥はさっきから軋んで体もいつもより埋め込まれて余計に身動きが取れない。


「やっ、や........めっ.....ん」

抵抗して声を上げた隙をついて、舌が捻じ込まれた。

ざらりとした舌の感触、信長様の時には感じた事のない違う感触に身体が拒否するのが分かる。

何でこんな事!


「お前は、やっぱり甘いんだな」
ペロリと唇を舐めながら、元就が口を離した。


「やだっ、やめて!あっちへ行って!」

元就の胸を押していた手を離し、必死で叩いて抵抗しようとしたけど、

「いっ、」

簡単に両手を頭の上に力強く纏められて、褥に縫い付けられた。

褥からはやっぱり、ギシっと軋む音がする。



今更だけど、これって、ベッド?


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