第4章 佐助登場
「アヤさん、俺には詳しい事情は分からないけど、信長が君を大切に思ってる事は間違い無いと思う」
「だからっ、どうしてそう思うの?」
「例えば、君が今身につけている物。着物や装飾品に疎い俺でも、上質の物だって分かる。幸も、中々見ない凄い代物だって言っていたし。後は君にいつも付いてる護衛の数、君は気づいてなかったみたいだけど、常時五人は腕の立つ者がアヤさんを守っていたよ」
佐助君の言葉は、ささくれ立った私の心に優しく染み込んできた。
意地になってたから、自分が身につけている物がどんなものかなんて考えたことも無かった。確かに、肌触りも良くて優しい着心地で、デザイナーになろうとしてたのに、こんな事にも気づかなかったなんて。
でも.......
「護衛は、私を守る為じゃなくて、逃げないように見張る為だと思う」
「だったら、一人で十分だよ。失礼だけど、アヤさんが武術に秀でてるとは思えないしね。この時代は、アヤさんが思っている以上に危険だ。信長の寵姫であるアヤさんを危険に晒そうとする輩は沢山潜んでる。君は、知らず知らずの内に、信長に守られていたんだよ」