第4章 佐助登場
「相手はあの信長だね」
「っ、何でそう思ったの?」
手が震えて動揺が隠せない。
「実は、君が信長の寵姫だと言う噂は、俺のいる国にまで届いていたんだ。本能寺で信長を炎から助け出した変わった身なりの女ってね。その話を聞いてもしかしたらと思ったから、幸に頼んで君に会えるようセッティングしてもらったんだ」
「そうだったんだ」
(最初から全部知ってたんだ)
「君が辛い思いをしているならと思ったけど、会えば会うほど、アヤさんが信長に大切にされてる事が分かったから」
(えっ?)
「大切にされてるなんて、どうしたらそんな風に思えるの?
私は信長様にとって、ただの玩具に過ぎないよ!」
「アヤさん」
「っ、いつも強引だし、好きって言われたわけじゃないし、全然信用されてないし、昨日だって、あんな......」
抑えていた気持ちが溢れて来て止まらない。