第4章 佐助登場
次の日から、信長様はまた領地の視察で出かけてしまった。
私は、針子仕事も外出も禁止となり、信長様が戻るまでの一週間、城内にて大人しくする事を命じられた。
誤解は、解けたのかどうかは分からない。
「はぁー暇だなぁ」
掃除をする事も女中さんに断られ、何もする事が無くなった私は、部屋でゴロンと転がって時間を持て余していた。
何気に天井を見つめていると、一部がカタッと動いた。
「えっ!」
寝転びながら、固まっていると、
「アヤさん、こんにちは」
裏から佐助君が顔を覗かせた。
「さっ、佐助君‼︎」
驚いて飛び起きると、佐助君もクルッと一回転して降りてきた。
「驚いた。佐助君、本当に忍者なんだね」
感心していると、
「驚かせてごめん。君に伝えたい事があって来たんだ」
「何?」
「急なんだけどここを離れることになった。
次に君に会うのは、君をワームホールに送り届ける時だ」
(未来に帰る。帰りたいはずなのに)
答えに迷っていると、
「アヤさんもしかして、ここに好きな人がいる?」
「いっいないよ。いないけど......」
「その痕、」
佐助君が、チラッと私の首元に目を向けた。
「っ...........」
昨夜付けられた生々しい痕を慌てて隠した。