第38章 当たり前の日々
自分の顔が赤くなって行くのが分かる。
シーツを確認するって事は、その、信長様に抱かれる際に溢れるあのシミももちろんチェックされてるって事で..............明け方近くまで抱かれた日には乾いていないし......そんなとこはノーチェックだった。
ただ毎日取り替えるものだし気にせず洗ってもらっていた。
「........明日から、自分で洗います」
いたたまれなくなって、そう呟いた。
「ふふっ、アヤ様。別に照れる事はございませんわ。お二人の仲がいいと言う事ですもの。これは私達の仕事ですし、アヤ様が以前いらしたお城でもきっと女中達は同じ様にアヤ様の健康管理をしていたと思います」
何で自分で洗うかの理由も言ってないのに、私が気にしてる事はバレバレみたいだ。
しかも、すっかり忘れてたけど、私、織田家ゆかりの姫って事になってるんだった。だから、以前住んでた所もお城だと思われても仕方ない。
信長様の取り計らいとは言え、騙しているみたいでそろそろ本当の事を言いたい。....でも、葵のお父さんみたいに、本当はみんな知ってるのかも。
とにかく、シーツチェックが今夜から気になって信長様との事に集中できないかも。
「話が逸れてしまいましたわね。私がアヤ様にお聞きしたかったのは、信長様のお側にアヤ様がおられるようになってから、経血のお印が一度も無いように思うという事です。アヤ様は何か心当たりがおありになりますか?」
静かに、言葉を選びながら可奈さんは私に尋ねる。
「あの.....」
何から話せばいいのだろう。どう答えればいいのか迷っている私に、さらに可奈さんは言葉を続けた。
「初めは、アヤ様のお腹にお子が、とも思ったのですが、違いますね?」
「.....っ、違います」
そっか....そんな事も...。
信長様は織田家の当主。跡取りは重要事項だ。
「無いわけでは、ないんです。安土に来る前までは来てましたから」
でも、前から不規則だった。