第4章 佐助登場
「私に、見張りを付けたんですか?」
「ふんっ、貴様はいつ逃げ出すか分からんからな」
「ひどいっ!どうしてそんな事......んっ」
言葉は途中で口づけで遮られた。
「やっ、ん...........やだ..んっ」
強引に舌を割り入れ、角度を変えながら攻められる。そのまま畳の上に倒され更に呼吸を奪われた。
「アヤ、貴様もとんだ悪女だな」
口を離し、睨むように私を見つめる。
「はぁ、はぁ、な....に言って」
怒りを孕んだ眼から視線を反らせない。
「どんな風に抱かれた?」
私の袷を強引に開き、首筋に吸いつく。
「やっ!そんな事、して.....ません」
「貴様は信用ならん。確認させろ」
首元から露わになった胸まで、信長様は怒りをぶつけるように所有痕を残していく。
「ふん、跡は残してはおらんようだな」
「だからっ、何もしてません!」
「まだ、確認は済んでおらん」
「あっ........はっ」
着物の裾を割り、指を敏感な箇所に当てる。グリグリと指先で遊ばれれば、私の体は簡単に反応する。
「んっ............っ」
「こんな風に、奴の指も咥えたのか」
ヌプッと、卑猥な音を立てて信長様の指を呑み込む。
「ちがっ.....信長様っ!」
(どうしてそんなひどい事言うの?)
話をしたくても、クプッ、クプン、と指が中で動けば
「やっ.......んっ」
ビクンビクンっと、身体が仰け反る。こんな時でもいってしまうなんて。
「簡単だなアヤ。其奴もさぞかし喜んだだろう」
言葉は冷淡なのに、かかる息が熱い。息つく間も無く、信長様は自身をはめ込む。
「はっ...ん」
信長様の怒りが身体を貫く。
(何をそんなに怒っているの?私が他の誰かとって、本気で思ってるの?信長様の手に簡単に堕ちたように、他の男性にも簡単に堕ちると思ってるの?)
「っ....お...ねがい、乱暴に....しない...で」
髪が、背中が、信長様の激しい動きに引っ張られるように悲鳴をあげる。
「其奴は、優しかったか?」
口の端を上げて冷たく言い放つ信長様に、最早何をどう言えばいいのか。
言ったところで、私達は恋仲でも何でもない。私も何を分かってもらおうとしているのか。
その夜は、言葉を発する暇さえ与えられる事なく、声が掠れるまで、私は信長様の怒りを受け止め続けた。