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恋に落ちて 〜織田信長〜

第37章 都合のいい女



「いい、アヤ、このままだとアヤは都合のいい女になるかもよ。」

「えっ!何でそうなるの?」

閨で、腕の中で、抱かれている最中に話をする事が何故?

「浮気を疑って聞こうとしても、抱かれて酔わされて納得させられちゃうなんて、男の思うツボだよ」

「都合悪くなったら抱いて大人しくさせればいいってもう思われてるんじゃないの?」


そうなの?そういうものなの?

いや、確かにいつも怒ってたはずなのに口づけられると怒る気が失せてそのまま抱かれてしまって終了みたいな流れが多い気がする。

この間の宴の事だって、最後は私が裁きを受けるみたいに変えられて、結局寝かせてもらえないくらいに抱かれてしまった。


『物は言い様だな。信長様も男だ。お前も上手く言いくるめられたものだ』

ふと、忘れていた光秀さんの言葉を思い出した。

あれ、あれ、あれれ!?

私、都合のいい女なの?

思い当たる事が多すぎて黙ってしまう。


「アヤ、気をつけてね。私も結婚するまでは仕事だ、男の付き合いだと言われて鵜呑みにしてたけど、蓋を開けてみたら浮気だったから。たまには疑ってみて」

「そうだよ、良い子なだけじゃダメ。たまにはわがままの一つや二つ言って困らせてみたらどう?」

そうだよそうだよと、みんなが頷く。

「うーん。そうだね。」
でも結構私はわがままを言ってるような気がしないでもない.....

結局、針子仲間の旦那様浮気事件は、信長様が浮気をするかも談義〜私は都合のいい女ではとの話へと変貌を遂げ、何やかんやと針子仲間達に煽られ、その日の針子作業は終了した。

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