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恋に落ちて 〜織田信長〜

第4章 佐助登場



(眼鏡って、この時代に来て初めて見たかも)
そんな事を考えていると、

「アヤさん初めまして。僕は猿飛佐助。君と同じ未来から来たんだ」

佐助と名乗る彼は、意外な挨拶をした。

「えっ?」
内容を理解するのに時間がかかった。

「急にこんな事を言ってビックリすると思うけど、君は平成生まれだよね?」






佐助君は、ゆっくりじっくりと、ただだ驚く私に説明をしてくれた。

佐助君の話によると、私がタイムスリップしたあの日、あの石碑に佐助君も来ていたらしい。私の後ろにいた為、私は佐助君の存在に気づかなかったけど、佐助君はタイムスリップの研究をしていて、あの日あの時間に時空の歪みができる事を突き止め、それを証明する為に来たら、予定より早くワームホールが現れて、私たち二人を飲み込んだらしい。

佐助君は、私より四年も前の時代にタイムスリップをして、ずっと私を探してくれていたと言っていた。


「でも、どうして私がそうだって分かったの?」

佐助君の話をようやく飲み込んで、やっと質問ができた。

「最近、安土城に変わった娘がいるって噂を耳にして、もしかしたらって思ったんだ」

「そうなんだ」

「アヤさん、俺はあの後もワームホールの研究を続けている。多分、二ヶ月ほどでワームホールが同じ場所に現れると思うんだ。俺は、この時代が気に入っているから帰らないけど、君がもし望むなら帰してあげたいんだ」

「................」
突然すぎて返事ができない。
あんなに帰りたかったはずなのに、何故即答できないんだろう。

「佐助、もうそろそろやばい」
幸が外を気にしながら佐助君に声を掛ける。

「アヤさん、俺は暫く幸と一緒にこの店にお世話になっているから詳しくはまた」

そう言って、佐助君は店の奥に入って行った。

「突然悪かったな。仕立てた品は主人に渡しておく。城の者が心配するといけねぇから、今日はもう帰んな」

そう言って!幸は素早く仕立て品を受け取り、私を店の外へと促した。

「幸ありがとう。突然の話でビックリしたけど、よく考えてみるって佐助君に伝えて。」

「おうっ」

そうして、私は店を後にした。
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