第4章 佐助登場
「アヤお前、また沢山連れてきたな」
幸が外を睨むように見ながら呟く。
「連れてきたって、誰を?私一人だよ」
幸はいつも私と会うと同じ事を言うけど、何の事か分からない。
「あー、お前は知らなくていいよ。で、仕立てた物届けに来たんだろ」
「うん。自信作だよ」
そう言って私は、持ってきた風呂敷包みを広げて、仕立てた着物を見せようとした。
「アヤ、このまま聞いてくれ」
幸が、私に近づいて、こっそり耳打ちした。
「えっ?」
「実は、お前に会わせたい奴が居るんだ」
「誰?」
「ただ、そいつと会っても驚かず、店の奴と喋ってるように振舞ってくれ」
「う、うん。」
いつもの幸からは程遠い真剣さに、頷くしかなかった。
「おいっ、いいぜ」
幸が店の奥に向かって声を掛けると、
すーっと、メガネの好青年が店の奥から歩いてきた。