• テキストサイズ

恋に落ちて 〜織田信長〜

第31章 見えない壁



「あーでも、どこでも体を開いてって、上手いこと言うなぁ..............強ち間違ってないし」


つい先日も湖岸で抱き合った。
城の至る所で口づけは当たり前。
救援活動先の温泉でも抱き合ったし、湯浴み中の営みなんて、もう当たり前の中に入りそうだ。


「あんなに秀吉さんに注意してもらってたのにね。言うこと聞かないからこんな事になるんだよ。ふふっ」

溢れ出る涙に比例する様に、乾いた笑いが自分から起こる。



誰かが言ってた。


「悲しすぎると笑えてくる」んだと。


でも、こんなに涙が出るなんて聞いてない!



「っ........っく、」

悔しい!

悔しい!

悔しい!

何も言い返せない自分が悔しい!

分かってる。私じゃダメだって分かってる。

姫でもなければ武家の娘でもない。

何の後ろ盾もなければ、教養すらも持ち合わせていない。

「っ、っく、う〜」

腕を噛んで涙を堪えてもやっぱり涙は止まらない。

ずっと恐れていた、気持ちだけでは乗り越えられない壁にぶつかった気がした。


/ 816ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp