第4章 佐助登場
「わぁー、今日も色んな露店が出てる。楽しそう」
暫くは、信長様も遠方への視察で帰ってこないし、仕立てを届けるだけの約束だけど、誰も見てないし、いいよね。
「仕立て物を届けたら少し寄り道しちゃおうっと」
久しぶりの外出にワクワクしながら、仕立て物を納める呉服屋さんへとやってきた。
「こんにちは。仕立て物を届けに来ました」
挨拶をしながら暖簾をくぐると、
「おぅアヤ、久しぶりだな」
「幸!来てたの?」
「まぁな。暫くまたこの店に世話んなるからよろしくな」
人懐っこい笑顔を見せた。
幸は、地方を渡り歩く行商人で、この安土に来た際にはこの呉服屋にお世話になっているらしい。
私が初めて友達になった城下町の人だ。