第30章 三度目
先ずは、一番の側近である秀吉さんに聞いてみた。
「信長様から一本取る方法を教えろ?」
「うん、そうなの、何かないかと思って」
「お前も粘るなぁ。大人しく城の中に居てくれたら、俺も信長様も安心なんだけどな」
そう言いながら秀吉さんは、ふぅ〜っと長いため息をついた。
「うっ、いつもご迷惑をおかけしてすみません」
秀吉さんには、結局一番迷惑をかけている気がして、その言葉の重みに反省しかない。
「まぁ、お前には無理だな。信長様はとてもお強い。俺でも無理だ。それに、万が一にも信長様を倒せる方法があったとしてもだ、俺は信長様の側近としてそれをお前に教えるわけにはいかない」
信長様愛を語られ、秀吉さんから聞き出すことには失敗した。
次は台所で料理をしていた政宗を捕まえて聞いてみた。
「信長様に一撃を食らわす方法か。聞いたぞ、お前も無茶な賭けをしたもんだ」
「私だって無理だって分かってるけど、勝てないとずっとお城の中は困るし、だから何かないかな?」
「俺なら、外出したい時にする。んなもん破っちまえ」
何とも政宗らしい意見。
「そんな事したらもう本当に一生お城から出させてもらえなくなっちゃうもん」
「まぁ、そんなに教えて欲しいなら、口づけの一つでもしてもらおうか」
顔を近づけてニヤリと笑う政宗
「もう、真剣に話してるのに」
両手でぐいっと政宗の顔を押しやる。
「俺も真剣なんだがな。まぁお前が信長様に一撃を食らわすなんて事は、万が一の可能性もないと思うが、頑張るんだな」
そう言って、作り立ての鯖の押し寿司を一貫口に入れてくれた。
「美味しい.........」
もぐもぐと口に入れられたお寿司を食べながら、次は家康のお部屋を訪ねた。