第2章 棘
「あっ.........っ」
一度達した体は簡単に反応する。
チロチロと、耳の中を探られ、信長様の吐息がかかる。
「はっ......あぁん」
手は胸の膨らみを捉えて暴れ出す。
もうこれだけでもいってしまいそうだ。
「どうだ、言いやすくなったであろう」
言いたくない。でも、言わなければ迷惑をかける人達がいる。
私は褥をギュッと握りしめて、俯き加減に呟いた。
「っ.............さい。」
「聞こえぬ」
聞こえたくせに、どこまでも意地悪な信長様を睨んで言い放った。
「信長様を、下さい!」
「ふっ、そんなに睨まずとも、今すぐくれてやる」
ズンっと、重く硬く熱り立つ信長様が、容赦なく割り入ってきた。
「やっ、信長様っ、あぁっ」
ついに言ってしまった。
言葉だけだとしても、絶対に言いたくなかった言葉なのに。
残る最後のプライドまで奪われてしまった。
「はっ...はぁ、あっ......あんっ..あっ」
悔しいのに、あんな言葉は、なんの意味もないのだと言われているように、快楽が私を襲う。
抗う術を失った私は、完全に玩具に成り果てた気がした。
「信長様っ..........っ.........もうっ」
「く........っ、アヤ」
荒ぶる動きに体を揺さぶられ、達する寸前で又も呼吸を奪われた私は、遂に意識を手放した。