第18章 金平糖の罠
一方安土城では、アヤが戻らない事で城内が騒然としていた。
「秀吉っ!アヤはまだ見つからんのか」
信長の怒りに満ちた声が広間に響く。
「今、城下を隈なく探しておりますがまだ....」
秀吉が答えていると、
「信長様、アヤの居場所が判明しました」
光秀が息を切らして戻ってきた。
「光秀、説明しろ」
「アヤは、ここ最近出来たばかりの南蛮品を扱う店で消息を絶っております」
「アヤに付けていた護衛の者たちはどうした」
「皆、路地裏で何者かに斬られた状態で発見されました」
「何!五人全員か⁉︎」
「どれも一撃で仕留められておりました。相手はかなりの使い手かと」
光秀や秀吉達には及ばずとも、アヤに付けていた護衛は城内でもかなりの腕の立つ者達だっただけに、信長の心はざわついた。
「長引くとアヤの身が危険だ。光秀、案内しろ」
「はっ」
本来なら、当主である信長自らが敵陣に向かうなど反対をする所だが、反対の意を唱えた途端にその首が飛ばされそうな程の殺気を纏っていて、誰も何も言う事はできなかった。