第2章 棘
「いたっ!」
天主に連れて来られてすぐ、家臣が持ってきた桶で私の足を洗い、信長様が足の裏に刺さった棘を1本づつ丁寧に取り除いてくれていた。
「痛いです、信長様!」
「かまわん。彼奴らの前であのような姿を見せた罰だ」
「えっ?」
(どんな姿?)
聞きたかったけど、刺抜きが終わり、聞きそびれてしまった。
「ありがとうございます」
礼を言うなんて癪だけど手当をしてくれて何だか意外だったから、自然とお礼の言葉が口から出た。
「まだ、手当は済んではおらん」
「えっ?」
聞き返す私の言葉を無視して、信長様は足を持ち上げ、傷口をペロっと、舐めた。
「...........っ、なっ」
「消毒だ」
「わっ、わっ、足なんて汚いです。やめて下さい」
足を引っ込めようと頑張るけど、がっちり掴まれて離してくれそうにない。
「アヤ、何度言えば分かる。貴様は俺の物だ。俺の物が汚いはずがなかろう」
ペロリと私の足に舌を這わせながら、信長様が視線だけをこっちに向ける。
ドクンと、心臓が跳ねる。
(また、この感じ、何だろう。)
ヘビに睨まれたカエルのように、私は動くことができず。信長様から目が離せない。
舌の動きは傷だけでなく、つま先へと移動する。
「っ.........やっ..」
チュパ、チュ、チュパ
足の指を咥え、食み、口の中で舐め回す
チュ、チュ、チュパ、チュ........と、静かな部屋に水音が響く。
「んっ....はっ」
足がピクリと動き、いやらしい声が自分から漏れ、体の芯がゾクゾクとして痺れてくる。
「貴様の弱点は耳だけでなく、足もだったか。ここだけはまだ、貴様の体で味わっていないところだったからな」
信長様はそう言うと、ニヤリと不敵な笑みを浮かべた。
「足の次はどこがいい。アヤ、言ってみよ」
私の着物の裾を割り、手を入れながら、迫ってきた時、
「信長様、失礼します。そろそろご出発のお時間となりましたのでお迎えに上がりました」
部屋の外から秀吉さんの声が聞こえて来た。
(良かった、外出するんだ)
思わずほっとすると、
「安心するのは早いぞ、アヤ」
「えっ?」
そう言うと、信長様はわたしの帯を素早く解き、着物を強引に脱がせた。