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恋に落ちて 〜織田信長〜

第13章 二人の距離 後編



「ちっ、父と母が信長様と恋仲なんて知ったら、きっと反対します」
もう途中からは、抗議内容がおかしくなっていった。

「娘が天下人の女になるのを喜ばぬ親などおらん」
やっぱりオレ様だ。

「うっ、さっきまで浮気してたくせに〜うぅ〜」
さっきのシーンを思い出し、また涙が溢れ出した。

「貴様が離れようとするからだ」
ふっと信長様が笑う。

「私の時は勝手に疑って怒ったくせに!」

「あたりまえだ。相手がバラバラに斬り刻まれなかっただけでもありがたく思え」

「そうやって、いつも勝手な信長様が大嫌いですっ」

「構わん」

「だっ、だから、人が真剣に話してるのに、何で着物を脱がしてるんですか」

気づけば帯は解かれ、着物は肩から下げられている。

「この後、する事は一つしかない」
しれっと答えて、首すじに唇を押しあてる。

「っ、嫌いだって言ってるじゃないですかっ」

「構わんと言っておる」

「て、手練手管がないって」

「それは真のことだ」

「なっ、じゃあ私なんかじゃなくて......んっ」

唇を塞がれて、最後まで言えなかった。

「んんっ......」
黙れと言わんばかりに、舌が入り込み深く探られる。
角度を変えて、何度も何度もその舌に自分の舌を絡め取られる。
チュ、チュク、チュク、
ドキン、ドキン、ドキンと、私の耳に交互に音が届く。
こんなキス、ずるい。

「はぁ.....はぁ............」
糸を引きながら唇が離れた時には、怒っていたはずの私の心はすっかり戦意を喪失していた。

「どんな貴様でも構わん。俺が生涯かけて愛する女はアヤ、貴様だけだ」

涙が乾いていて良かった。この時に見せた信長様の熱の孕んだ目、声、表情を私は絶対に忘れない。

「っ、」

でも、またすぐ涙が溢れた。

「まだ泣くのか」
そう言いながらも、優しく私の涙を指で拭ってくれた。

「そろそろ貴様に触れさせろ。全然足りんのだ」
ふわりと身体が宙に浮いて、褥に運ばれる。

事前に少しづつ脱がされた着物はあっという間に取り去られ、露わな姿にされてしまった。


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