第58章 さみしいさみしい フェージャの話
ぺっ
(今回はすんなり離してくれた)
フェージャの顔が全く変わらないから、どう対応すればいいか分からなくなる。
ぺたぺた
(でも今は自分を"僕"って言ってないな)
ガチャッ
「お待たせしました!」
器に入れたアイスをフェージャに渡す
だけど案の定
あん
「食べさせてください」
(ヒナみたい)
これが甘えなんだろうな。
「はい、あ〜ん···」
(溶ける。あまい···)
「天音···僕は夢を見た」
「夢···?」
「はい···自分の国で、空を見た夢」
「ほへ~··確かフェージャの国はロシアですよね?綺麗でした?」
「はい、普段は真っ暗でしたが、夢の空は天音の目みたいに深い海でした。そこにきらきら···」