第53章 ハロウィン 1 澁澤さん·フェージャ
すたすた
沈黙
(太宰さんは澁澤さん達が嫌いなんだな。今まで見たことがない顔していたし···でも盗聴器の方が怖いな···これ外そうかな···)
私は揺れるネックレスを見つめる。
「外すのはダメ」
「見ていただけですよ!···早く戻りましょ!」
いけない
太宰さんの前では常に笑顔でいなきゃ
ーーーー·····
ぱちっ
「あまね···?」
ちょっとした、痛みで目を覚ます。
部屋には誰もいない
部屋には天音が取替えた。花びらが
あるだけ
ぼー····
(痛みは耐えれる。)
ガチャッ
「天音は太宰くんが連れていきましたよ。昼にはまた来るそうです。」
「やはりか」
「龍彦今日は31日ですよね?」
「そうだが、何かあったか?」
「····Trick or Treat」
「無駄に発音よくするな。腹立つ」
「太宰くんにちょっとしたイタズラをしようかと思いましてね。天音くんにこの衣装を···」
「フョードル・ドストエフスキー···貴方は神か」