第5章 ちいさい 芥川さん
今日1日弱者の赤子になった
だけど····忘れていた『何か』を思い出させて呉れた
ぎしっ
「明日には戻るといいですね」
なでなで
「·····」
(今日1日ずっと抱っこして分かったけど、芥川さんは···色んな方達に触れる事が無かったから、温もりを知れたはず)
ぼんぽん
「ねーんねん··ころーりーよー···」
私は不意に子守唄を口ずさむ。
芥川さんはずっと聞いてだんだんと目を閉じてゆく
(あっ寝そう)
頭を撫でていたら急に芥川さんの周りから煙が出てきた
「!?」
「···?!」
ふたりで何があったのか分からずそのまま·····
そして····
ぼふん
「···けほっ」
「芥川さ···ん···」
そう
小さな芥川さんはいつもの芥川さんになった