第3章 うみのなか 太宰さん
「きゃああ!人が溺れてる!」
「誰か助け呼ばなきゃ!」
がやがやと騒がしい。
まさか···違うよね···?
私は不安になりながらざわめきを見ると
――――――······
「いい加減にしてください!」
わしわし
「え~~だって今日は晴天·絶好の自殺日和じゃないか~」
私の家で頭を拭く太宰さん
あのざわめきの犯人は
この人であった。
コトッ
「これでも飲んで体温めてください」
「ココアかい?」
「そうですよ」
ぴーん
「天音くんよ。私の頭を拭いてくれ給え」
「?自分で拭いていたんじゃ」
「いいから」