第3章 お買い物なう
「あなた達が先に行っていいですよ」
「ほらほら、そうよ!」
「兄ちゃん、かっこよかったぜー!!」
電車が着くと謎の歓迎ムードにあい、断りきれずに電車に乗っていく。
先程の大学生は気まずそうに奥の列へ向かっていった。たぶん、一番遠くの列に並ぶんだろう。
流石にやりすぎたんじゃと哀愁漂う大学生の背中を眺めていると、腕を引っ張られた。
「雛、行くぜ」
『あ、うん』
会釈をしてお礼をすると3-4人くらいで座れる小さな席を確保する。
いっちゃん、私、かっちゃんの並びで座った。
じゃないとまた喧嘩をするしね。
「流石かっちゃん、かっこよかったよ!!」
『ほんと、ああやって行動できる所はカッコイイよ!』
「ったり前だろ」
ちょっと気分が良さそうに笑うかっちゃん。
いっちゃんも目を輝かせて楽しそうだなー。
このままいっちゃんも合格できたら毎日皆で学校に行けるのかなって思うと、ちょっと楽しそうだなって期待しちゃう!
「そういえば、あのお店は時間無制限で食べれるんだって。夕方の4時までかな?」
「そこまでいねぇだろ。それより開店時間は何時だ?後個室は?」
「えーとね、11時から。お店の中は一応個室があるみたい」
「ってことは、まだ10時過ぎだから時間があるな。さっさと買い物を済ませて行くぞ。デク、12時くらいで個室を予約をしとけ」
「あ、うん。すぐやってみる」
よくよく考えてなかったけど、真白ちゃんはどうしよう……?
膝の上に乗せた鞄を開けてみると、キラキラと目を輝かせ鼻をヒクヒクさせてる真白ちゃんが!
あー……、これすっごく楽しみにしてるよ。お店で食べるのは始めてだもんね?
それなのに、全然食べれなかったら楽しくないよね?
「そ、そういえば真白ちゃんは、どうしよう……」
「ルールを破るが仕方ねぇ、真白が手のひらサイズまで縮んで生きてない振りをするしかねぇだろ」
「今どきお店でぬい撮りをする人もいるし、大丈夫だよ!」
「そ、そうだといいなぁ」