第1章 再会
かっちゃんは今にでも泣きそうな顔で、必死に私の背を撫でてくれた。
でも、今はその優しさが辛くてしゃがみこんで泣き続ける。
不意に、座ってだんまりを決め込んでたいっちゃんが立ち上がった。
「ひーちゃん、しょうらいおおきくなったらにんげんいがいもまもれるヒーローになるよ!」
そう言って、いっちゃんは私の目を真っ直ぐ見て笑うんだ。
『いっちゃん……?』
いっちゃんは、泣き止んだ私の顔を見て真っ直ぐ頷く。
「やくそくする、ぼくはぜったいひーろーになる。だから、まっててね」
『うん、待ってる……!! ずっとずっと待ってるから……!!』
そのときの、いっちゃんの言葉は私の頭の中で響いて輝いてた。
ずっと、ずっと。
彼が無個性だと聞かされた後も、ずっと。