第2章 新しい生活の前に
その後、シュークリームを食べ終わったら後片付け(主に真白ちゃんからフィギュアの奪還)を終えた。
「あ、ひーちゃん。この後の予定は?」
『えーっとね、とりあえず新学期に向けて必要な物を買おうかなって』
「あ、じゃあ僕も行っていいかな?」
『もちろんだよ、いっちゃん!』
拗ねて引き篭もり始めた真白ちゃん入りバッグを持つといっちゃんと一緒に出発!
「何を買うかリストにしないと。えーと、ケガが多くなりそうだし救急箱は必要で……」
『んー後は何かな~?そのうち住み込みで訓練もありそうだし、生活用品とか?』
「それは後でいいんじゃないかな。ヒーロースーツも必要だと思う」
『あー、なるほど……』
いっちゃんがメモをとりながら歩いてる。
私はいっちゃんが転ばないように注意をしながら歩いてた。
すると、目の前からかっちゃんが……!二人共注意をしてなかったから、いっちゃんの存在がバレてしまった!!
「ッ……!!デク、お前こんな所で何してやがる!!!」
あー!?また厄介な人に見つかってしまった。
「あ、いや、か、かっちゃん!今から買い物に行こうかと……」
しどろもどりになりがら、いっちゃんが後ずさる。
私はいっちゃんを守るように前へ出た。
『わっ!?』
その瞬間、かっちゃんが私の腕を掴んで自分の方へと引き寄せたから転びそうになったけど、かっちゃんの胸に飛び込んでいく寸前の所でいっちゃんが助け起こしてくれた。
「大丈夫!?」
『何するの、かっちゃん!?』
「買い物なんざ一人で行けばいい。雛、これから俺の家に来い」
『私がいっちゃんを誘ったの!私の買い物なんだから私が行かなきゃ意味がないでしょ?』
私がそう言うと、かっちゃんは不機嫌そうな顔つきで舌打ちをした。いつもより荒れてる……。
「すぐ支度すっから俺ン家の前で待っとけ!!先に行ったらデク、お前をぶっ殺す!」
『「へっ!?」』
ポカーンと口を開けてお互いを見つめる私といっちゃんを置いて、かっちゃんは走り去ってしまった。
「たぶんかっちゃんも買い物に行きたくて相手を探してたんだよ」
『なるほど、それなら最初から三人で行けばいいのに』
なんだかんだ言いつつ一人で行動をするのは寂しいのかなーって思うと、なんだかかっちゃんのことが可愛く思えてつい笑ってしまった。