第2章 新しい生活の前に
落ち込んだ真白ちゃんを元気づけるために、私はケーキ屋へ立ち寄った。
さっきのようなピンク色のケーキがないけど、ここの店は可愛いシュークリームがいっぱいある。
その中に一つだけホワイトチョコレートで作った白猫のシュークリームを見つけた。
「『このシュークリームをください』」
思わず後ろを見ると、そこには松葉杖を使って歩いている、見知った男の子が。
あの時私が助けた子だ!
「あれ、お前も来てたのか」
『うん、ちょっと買い物にね』
「……そうだ、俺の名前は心操人使。この前は助けてくれてありがとうな」
『私は緑谷雛。助かってよかった!』
心操くんは気まずそうな顔で頬をかく。
どうしたんだろ?と首を傾げた。
「その、合格はどうだった?」
『ばっちり合格!』
すると、心操くんの目が輝いた!
「おめでとう、俺のせいで不合格になったらどうしようと思ってたんだ!」
心操くんは……、聞かないほうがいいね。
『えへへ、ありがと! 今日は合格祝いもかねて頑張った真白ちゃんへのご褒美を買いにきたんだ』
「そうか、あいつにもよろしくと伝えてくれ! 俺は雄英の普通科に通いながらお前の後を追うつもりだ」
『そっか。一緒にヒーローになろう!待ってるね』