第26章 番外編☆dolce

｢あっ…、ん…はっ…、も、無理っ…｣

ガクガクと、首が捥げるんじゃないかってくらいに揺さぶられながら、俺は必死で翔さんにしがみついた。

でも翔さんは俺の手をいとも簡単に解いてしまうと、身体を反転させ…

｢自分で動いて見せて？｣

上下が逆転した俺を見上げ、ニヤリと笑った。

上下が逆転したことで、繋がりがより深くなったことに加えて、自分の置かれている状況が恥ずかし過ぎて、それどころじゃないのに…

もう前言撤回…だよね…

｢嫌いだ…。翔さんなんて嫌い…｣

｢嫌いでけっこう。でもこのままだと辛いのは智の方だけど…。それでも良いの？｣

そう言って翔さんの手が俺の中心へと伸びる。

そして今にも破裂しそうな俺の中心を握り込むと、ゆるゆると手を動かし始めた。

俺が“駄目”って言えないこと知ってるくせに…
ずるいよ…

それには流石の俺も…

｢ひゃっ…、いや…、触らない…でぇっ…｣

身体をビクビクと震わせて身悶えるしかなく…

気付けは、翔さんの厚い胸に両手を着き、無心で腰を振り続けていた。

凄く…
今までして来たどんなセックスよりも、凄く気持ち良くて…

それでいて胸の奥がジンと熱くなって…

半ば意識を飛ばし果てた俺とほぼ同時に果てた翔さんの熱が、じわりじわりと俺の中を溶かしながら広がって行くのを、俺は翔さんの腕の中で感じていた。

｢愛してる…｣

最初で最後かもしれない…、こんな気持ちになるのは…

｢俺もだ…、愛してる…｣

｢俺の方が翔さんより、何十倍も愛してる｣

｢じゃあ俺は何百倍も愛してる｣

こんな風に、冗談混じりの愛を囁くのも、

｢なあ、もう一回良い？｣

こんな無茶な要求にも、

｢いい…よ…？｣

応えてしまえるのも、きっと翔さんとだから…