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君の声が聞きたくて 〜Your voice〜【気象系BL】

第22章 subito


その晩、俺達は約束通り、三人で飯に出かけた。

雅紀さんも潤さんも、俺を気遣ってか、次の機会にしようって言ってくれたけど、俺がどうしても今日じゃなかきゃ嫌だって我儘を言った。

でもさ…

お洒落なレストランが良いって言う潤さんと、気楽な居酒屋が良いって言う雅紀さんさんとで意見が合わなくて…

最終的に決定権が俺に委ねられた結果、俺が以前から気になっていたラーメン屋に決定。

何故か俺を真ん中に、三人でカウンターに並んでラーメンを食べた。

会話らしい会話なんて殆ど無かったけど、それでも二人と一緒にいられる時間はとても幸せで…

一味を入れ過ぎたせいだって誤魔化したけど、本当は二人の優しさが嬉しくて…涙が出そうになったんだ。

そしてその時、俺は誓ったんだ。

もう泣かないって…
自分を誇れる“俺”になるんだって…

翔さんに会えるその日まで…



俺は我武者羅に働いた。

それまで開店時間に合わせての出勤だったのを、雅紀さんと同じ時間に出勤して、仕込みを手伝ったり、市場に買い出しに行ったり…

帳簿の付け方だって教わった。

尤も、雅紀さんは超が付く程の機械音痴だから、アナログな方法ではあったけど(笑)

本来、暇さえあれば寝ていたい俺だから、生活のリズムを掴むまではそれなりに大変だったし、身体が悲鳴を上げそうなくらいに疲れていたけど、充実はしていた。

だからかな…、時間が経つのが凄く早くて…

ハッと気が付いた時には、翔さんと別れたあの日から、三年の月日が過ぎようとしていた。

その間も、翔さんに対する俺の気持ちは、何一つ変わることはなかった。

寧ろ、迷いがなくなった分、より強くなっていたのかもしれない。

翔さんを好きだ、って気持ちが…
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