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自殺したら龍王の巫女(女)に転生しちゃったんだけど・・・

第3章 龍王の娘としての1日(体験編)



リオラが俺の側付きになってから早数日。

この日、俺は初めて外へ出た。と言っても宮殿の敷地内の庭だけど…

リオラが側付きの騎士になったからドラグノスが許してくれたんだとさ。

初めての散歩、外に出られたってだけで嬉しい気分になれる。

にしても、広い庭だなぁ…

「フィラルシェーラ様、とても喜んでおられますね。余程散歩が嬉しいのでしょうか。」

「そうね。赤子であるとはいえずっとお部屋の中で過ごされていたから。」

うん、すっごく嬉しいよ!!ありがとな、二人とも!!

しばらく移動すると…

「あら、セレンに騎士リオラではありませんか。」

またまた初めて聞く声だ。女の人だ…。

「これは、ヴィヴィラ様。ご機嫌麗しゅうございます。」

「ご機嫌麗しゅうございます。」

セレンとリオラが深々と頭下げるってことは偉い人なのか?

「えぇ、あら?その子供は?」

「はい、この方は龍王ドラグノス様のご息女、フィラルシェーラ様にございます。この度、私セレンが世話役を、リオラが側付きの騎士を命ぜられました。」

「龍王様の…っ?」

な…なんだよ、人の顔じろじろ見やがって…見せもんじゃねえぞっ?

「そう…この子が龍王様の…あの女の…」

なんか…この人の目、嫌だな。怖いとかじゃなくて…とにかく嫌だ…。

セレン、リオラ。俺、ここにいたくねぇよ…。

「ふぇぇぇ…っ」

「あっ、フーシャ様っ?いかがされました?ヴィヴィラ様、申し訳ございませんっ。」

「ふふ、いいのよ?私がじろじろ見てしまったからご気分を害されたのかもしれないわ。お詫び申し上げますわ、姫様。」

そう言って、ヴィヴィラはその場からいなくなった。

「はぁ、驚きました。」

「えぇ、しかしなぜフィラルシェーラ様は急に泣き出されたのでしょう。」

「赤子は人の心に敏感と聞きます。何か感じ取ったのかもしれませんね。ヴィヴィラ様に関しては、あまりいい噂を聞きませんから。」

え…まじかよ。俺、ちょっとやばいことした?

まさか、あのヴィヴィラって人に殺されたりしないかな…

「ご安心ください。このリオラが、命に代えてもフィラルシェーラ様を御守りいたします故。」

おぉっ、さすがイケメン。言うこともイケメンだっ!!

と言っても、俺も俺なりに気をつけないとな…

まぁ、赤ん坊だからどうしようもないけど!!
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